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注目記事 (2004/6/28)

Opinions:
 
「いま必要なのはフレッシュな資本・人材だ」
 島田晴雄 (慶應義塾大学教授・内閣府特命顧問)
  
   島田氏は、対日投資を五年間で倍増する、という、現在小泉政権が推進している政策に関し、これが、日本経済全体のために如何に大きな貢献をもたらすかについて解説し、その支持を訴えている。
   クリントン時代とは異なり、ブッシュ政権から日本が国内政策について注文をつけられたことは無い。しかし、政府、そして民間財界人の間で、日本の構造計画・経済活性化には、対日投資が大きな効果を生むとの認識が広がり、自発的に対日投資促進の動きが始まった。90年代初の不況がバブル崩壊を直接の原因とするにしても、その後の回復がままならなかったのは、日本経済の国際的役割の変化、即ち、輸出立国による高度成長が終わったこと、そしてその結果、硬直した社会になってしまったを認識することが出来なかったからである。
   日本が学ぶべきは英国の、それも四十年ほど前のイギリスである。当時英国病とまで言われたイギリスの停滞は、その後サッチャーの登場により荒療治で治癒したが、その大きな流れのひとつは、積極的な対内投資の推進である。日本はその経験に学び、積極的且つ上手に対日投資を受け入れて行くことが必要であり、それが豊かな成熟社会をつくる道である。
英語の原文: "Japan needs fresh capital and workforce"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20040628_shimada_japan/
 
Opinions:
 
「米国と日本:政治は結局個人同士の関係」
 猪口孝 (東京大学教授)
  
   猪口氏は、日米関係が、80年代の中曽根・レーガン、そして今のブッシュ・小泉という個人レベレのつながりによりいかに密度の高い関係となったか、そしてその結果、日本が世界に与える影響について変化して来たのかを分析する。
   昔から、国際政治において「特別な関係」というのは、米英関係を指した。しかし、レーガン大統領そして当時のマンスフィールド駐日大使が日米関係の緊密さを強調し、少なくとも、日本から見れば、米国の主要なパートナーに引き上げられたように見えた。事実、中曽根首相とレーガン大統領の親密さは、軍事・政治・経済のあらゆる面で同胞(ときに良きライバル)として機能した。ただし、その結果、日本は80年代半ばの米国の戦略防衛構想に付きあわされ、1985年のプラザ合意では、米国経済の再生に協力させられ、バブルと崩壊、そしてその後最近に至る迄の不況の種を撒くことになった。
   2003年に米国はイラク戦争の勝利を宣言したが、復興資金の主たる負担者は、米国と日本である。今年、日本はイラク復興会議の主宰まで申し出た。今後、援助が急激に拡大して行く可能性がある。急増する財政赤字を背景に、この面からは、プラザ合意前後の日本に似て居ることが懸念されるが、一方、ブッシュ大統領による小泉総理の歓待は、当時のレーガン・中曽根関係を彷彿とさせる。
   緊密な日米関係には、長所も短所もある。しかし、日本の進路は常に国内で吟味し議論して行かなければならず、その結果は世界の安全と平和の帰趨に影響する。
英語の原文: "America and Japan: the political is personal"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20040628_inoguchi_america/
 
Debates:
 
「中国の平和的台頭と米国のアジア政策」
 ロバート・サッター (ジョージタウン大学教授)
  
   サッター氏は、現在中国が採っている、「平和的台頭」政策と、米国の対アジア政策が微妙なバランスの上に、ここ暫くは続くであろうこと、その中で、日本との関係は、難しい局面があることを指摘する。
   中国政府当局は、米国が指導的立場をアジアで堅持していることを認知しており、今これに対抗して地域の支配を目指すことは、米国との関係のみならず、アジア諸国からの反発を食らうことを理解し、回避しようとして居る。従って中国は、台湾問題を唯一の例外として、米国の政策に積極的に反対していない。中国にとっては、寧ろ日本が、世界的に、そしてアジアに対しての政治経済的影響力駆使の過程での対抗相手であり、このため、対米国・対アジア政策を柔軟に探って行くなかで、唯一日本に対しては厳しい立場を崩していない。米国にとってみれば、諸政策、たとえば中東政策等で中国から非難される虞が少ないことから、中国側がソフトな政策を維持する限り、現状維持が得策である。
英語の原文: "China's peaceful rise and U.S. interests in Asia"
http://www.glocom.org/debates/20040625_sutter_china/
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