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注目記事 (2004/8/30)

Opinions:
 
「日本のソフトパワー再考」
 行天豊雄 (国際通貨研究所理事長)
  
   国際的な意味で「ソフトパワー」がパワーであるためには、他国から「一目置かれる」ことと、「尊敬される」ことが必要である。その点で、まず日本は憲法に基づく平和主義というソフトパワーを持っているという人がいるが、しかし海外で日本の平和主義を評価する人はあまりいない。日本の知的パワーについては、一般大衆のレベルアップを行なう教育体制が、特に発展途上国にとっては重要な意味をもっているが、これについても残念ながら海外であまり評価されていない。
   何といっても日本のソフトパワーの中核は文化のパワーで、日本の繊細で美的センスのある文化は国際的にも有名である。この文化の分野での環境作りを政策的に行い、創造的な活動を間接的に支援することが望まれる。ただし、日本が国際社会で影響力を行使するためには、文化力だけでは不十分で、安全保障、経済、文化、外交という4つの柱についてバランスのとれた国力づくりが欠かせない。そうすれば、それに基づいて文化を中心とする日本のソフトパワーが国際的に一目置かれ、尊敬を集めるであろう。
英語の原文: "Japan's Soft Power Reconsidered"
http://www.glocom.org/opinions/essays/
20040830_gyohten_japan/
Debates:
 
「日米関係には適度の距離をおくべき」
 英 正道 (日本英語交流連盟会長)
  
   英氏は、日本にとって米国との関係が重要であることを認めた上で、最近、「日米関係至上主義」とでもいうような、良好な日米関係それ自体が目的のような意見が散見されることを懸念する。良好な日米関係とは米国が満足するような関係であると考えがちになっていないか、日米関係の現実を少し距離を置いて見てみることが、健全な日米関係の将来のために必要である。
   日米同盟については、米国が攻撃されたら、日本もその同盟国として米国を守るのが当然であると単純に考えるのではなく、国連の下での平和維持活動へ十全の参加を可能にすることである。また、金融面では、日本が財務省証券の購入を通じ米国の双子の赤字を支える一方で、日本の株式市場は外人投資家の影響下にある、という今の不健全な両国関係を改善する必要がある。そして、憲法問題では、米国として最も興味がある第9条の問題に焦点が当てられ過ぎており、憲法改正論議は、現行憲法が生み出した日本社会の歪みを日本人が自らが自発的に正そうと求めているものであることを再認識すべきである。
英語の原文: "Keep Relations with U.S. in Perspective"
http://www.glocom.org/debates/20040825_hanabusa_keep/
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