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注目記事 (2004/9/13)

Opinions:
 
「日本は『海の文明』目指せ」
 川勝平太 (国際日本文化研究センター教授)
  
   川勝氏は、日本が独自の文明であることを改めて認識しつつ、ASEAN+3からなる国際協力に際しては、「海洋東アジア」という視点で進めるべきであると指摘する。
   日本は、マルコ・ポーロの時代からハンチントンに至るまで、中国とも異なる独自の文明として西洋人に捉えられて来た。これには、日本の文明が、他と異なり、森や水を生かしながら築かれたという要素があげられる。そして豊かな漁場が広がる港町が形成され、それらの町を繋ぐ海のネットワークが形成された。
   翻ってみれば、今の東アジアというのは、地勢的には、海を中心にして、島と沿岸部の連携で活動が行われている点、中・近世の日本に似ている。中国内陸部は東アジアという観点からは寧ろ例外であり、発展も遅れている。
   歴史的教訓としても、日本は大陸に深入りしたときには失敗している。日本が目指すべきは、海洋東アジアであり、ASEAN+3の中心的立場に立って「海の文明」を目指すべきである。
英語の原文: "Japan Should Seek 'Maritime Civilization' in East Asia"
http://www.glocom.org/opinions/essays/
20040913_kawakatsu_japan/
Debates:
 
「携帯電話が経済停滞の元凶」
 佐和隆光 (京都大学教授)
  
   佐和氏は、日本経済の停滞の原因として、携帯電話の普及をあげる。
   13年間に亘る経済停滞の構造的背景としては、消費支出の抑制、そしてその原因として、革新的な商品が登場しなかったことが上げられる。1987−90半には家庭用ファクス・自動車電話・CDプレイヤー・ワープロ等の新商品が現れたが、90年代に入ってからは、新商品とはいっても、実態は殆ど従来製品の代替品に過ぎなかった。また、サービスでは、消費者が求める娯楽という需要に応えることが出来なかった。更に、一斉に流行を蔓延させるというテレビの効果が薄れたため、ファッション関係が伸びなかった。
   近年、携帯電話が広まり、いまや二人に一人は保有している。しかし、携帯電話ビジネスの波及効果は(例えば自動車などと比べれば)非常に小さい。更に、携帯電話は、消費者側の時間と、そして高い通話料を負担するために、他の消費に回す時間と金を奪ってしまっている。
英語の原文: "Blame It on the Cell Phones"
http://www.glocom.org/debates/
20040913_sawa_blame/
Debates:
 
「遠ざかった北方領土問題解決」
 ショーン・カーティン (GLOCOMフェロー)
  
   カーティン氏は、日ソ間の北方領土問題は、先日発生した北オセチア共和国での学校占拠テロ事件によって、ますます難しくなったと指摘する。
   小泉総理が北方領土を視察し、此処へ来て対ロシア外交に注力する構えを見せているが、そこで最も大きな障害となるのは北方問題である。しかし日本国内では、一部を除き、この問題に関心を持つ人はかなり少ないのが実情である。
   一方、北オセチアでのテロは、プーチン政権にとって、ロシア国内の政治・社会を更に引き締める必要を痛感させたが、この一環として、領土問題には従来に増して強い立場で臨む必要がでてきた。従って、今日本がロシアから北方領土問題で譲歩を勝ち取る余地は乏しい。
英語の原文: "Northern Territories Dispute still Divides Japan and Russia"
http://www.glocom.org/debates/20040910_curtin_northern/
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