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注目記事 (2004/10/12)

Opinions:
 
「中国のG7参加 - 双方とも必要性高まる」
 関 志雄 (野村資本市場研究所主任研究員)
  
   関氏は、先のG7会議に中国の財務相と中銀総裁が招待されたことを踏まえ、今後中国のG7加盟を展望すべきであると提言する。
   一人当たりGDPでは未だ途上国ではあるが、国としての中国は、GDP世界七位、貿易量も今年世界三位となる見込みである。従って中国抜きのまま、先進七カ国という枠組みで世界経済の先行きを話し合うのは無理となってきている。
   従来、何れの側にも、中国のG7参加を巡っては異論がある。特に中国では、国際的・国内的それぞれに消極的となる理由があげられている。しかし、中国がG7に加盟すれば、国内的には、種々の必要な改革が後押しされることにより良い結果を生む可能性がある。また、国際的には、G7に途上国の代表としての意見を持ち込むことが可能になり、これは、世界経済を論議する上で先進国クラブとしての限界があったG7にとっても、また途上国側にとっても好ましい効果が得られよう。
英語の原文: "G7 and China - Closer Relationship Becoming Necessary for Both"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20041012_kwan_g/
Debates:
 
「遅すぎる大学改革」
 石塚雅彦 (フォーリン・プレスセンター評議員)
  
   石塚氏は、日本の高等教育の現状について、今社会が欲している役割を果たして居ないとして、大学改革の促進を強く提言する。
   少子化の中で既に大学が供給過剰という状態がある一方で、産業界に限らず社会一般において、優良な高等教育の必要性に目覚めつつある。先日発表されたある調査によると、学生の中でも、大学教育の質の強化を求める声が以前に比べ強くなっている。これは驚くべきことではあるが、社会のニーズを学生側が感じ取ったということが出来る。
   以前は産業界をはじめとする社会側は、大学教育に期待せず、卒業してから改めて社会人としての教育を行っていたものが、社会側のニーズの多様性と専門性の進化により、学生を遊ばせている余裕は無くなった。高等教育は、大学自身も大学行政も、既に変化しつつある社会のこのような変化に的確に対応する必要がある。
英語の原文: "College Makeover Long Overdue"
http://www.glocom.org/debates/20041005_ishizuka_college/
Debates:
 
「ASEM:諸文化間の開かれた討議の場に」
 ヴァレリー・エンガメル/ジャンピエール・リーマン
  
   両氏は、アジア欧州会合(ASEM)が必ずしも大きな注目を浴びないのは、様々な要素を織り込みすぎて焦点が曖昧になったからであり、今後は、機能と目的を明確にすべきであり、それには、ASEMがアジア・欧州という異なる背景を有するということを生かし、新たな思想・哲学・文化等を生む議論の場として活用すべきであるという。
   アジアの地域連合であるAPECが非常に上手く機能している理由の一つには、それが、経済に特化しているということが挙げられる。一方、ASEMは、経済・政治・社会の三本柱で成り立っているということになっている。しかしこれが逆に焦点をぼかし、ASEMの価値を殺いでいる。
   まず、三本柱のうち、経済は廃止すべきである。既に他の場が幾つかあるし、地域・二国間協定が全盛の中ではASEMの出番は少ない。また、政治の柱も無くすべきである。それにより、香港・台湾といった地域が、メンバーとして参画することが出来るようになる。そしてASEMを各国・地域のリーダー達によって共通の利益・繁栄・人権・民主主義・社会開発などのテーマを議論する場とすることにより、歴史的に西欧に偏っていたこれらに関する思想とは異なる、新たな考え方が芽生えることを期待したい。
英語の原文: "ASEM: Timely Dialogue Across Civilisations"
http://www.glocom.org/debates/20041008_engammare_asem/
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