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注目記事 (2004/10/25)

Opinions:
 
「アジアの発展に貢献する緊密な日米関係」
 ブラッド・グロッサーマン (CSISパシフィック・フォーラム調査主任)
  
   グロッサーマン氏は、日本と日米関係に変化が生じて来ていると指摘し、この変化は、日米関係をより緊密化する方向で進展しつつあり、両国にとって望ましいのみならず、延いては東アジア全体にとって好ましい動きであると主張する。
   90年代を通じ、北朝鮮の軍事行動や米駐留軍人の犯罪増加などによって、日本は、東アジアの安全について再考を促されたが、結局は、米軍を軸とする安全保障体制に代わり得る現実的な制度は無いとの結論の下、国民や周辺国を徒に刺激することなく、米軍の抑止力を有効に維持すべきという政策目標を定めた。橋本−クリントン時代から、日米防衛協力の強化が行われる一方、日本国内でも、防衛大綱の制定に続き憲法改正の議論が行われつつある。
   但し日本の変化はあまり注目を浴びていない。それは一つには、変化が徐々に進んでいるからであるが、もう一つは他の国々、特に中国と韓国に世界の目が向いているからである。中国は経済面で大きく台頭しつつあり、韓国は世代交代によって政治的立場に変化が生じている。更に最近「東アジア」というアイデンティティーを探る動きが強くなって来ている。
   これらの動きが米国の脅威となる可能性は今のところ大きくは無いが、対応を間違えると深刻な事態となる懸念はある。だからこそ、米国にとって緊密な日米関係は、東アジアの情報を得、また大きく発展しつつあるこの地域への足場を確保する意味で重要である。また、軍隊を持てない日本にとっては、米軍による安全保障という直接の効果に加え、実際に有り得ないとは言え、日本の再軍備を懸念する周辺国に対しては、米軍の存在が緩衝効果をもたらすだろう。緊密な日米関係は、両国自身のために重要であることに加え、東アジア地域諸国にとっても大きな存在である米国との関係を健全に維持し、延いては地域の平和と反映に寄与するものである。
英語の原文: "Changing Asia Needs the U.S.-Japan Alliance "
http://www.glocom.org/opinions/essays/
20041025_gloss_changing/
Debates:
 
「中国の核兵器政策」
 J.D.ユアン (モンテレイ国際問題研究所準教授)
  
   中国が原爆の開発に成功してから、今年の10月で丁度40周年を迎えるのに際し、ユアン氏は、ここで改めて米中間で今後の核兵器政策についての意見交換を行うべきであると提言する。
   1964年の原爆開発成功の発表に際し、中国は、核兵器を最初に使う国にはならない、と宣言した。実際、1950年代から60年代にかけて、米政府は、台湾海峡危機への対応から中国への核による先制攻撃、そしてケネディ政権は中国の核開発を停止させるための防衛的先制攻撃が検討されていた。その後、中国は、1967年には水爆を、そして1981年には大陸間弾道ミサイルを開発し、米ロに次ぐ核大国となった。
   しかし、装備のかなりの部分が陳腐化しつつある現在、中国としては、核兵力の現状維持を前提に装備の更新に留めるか、世界の不安定化と米国の軍備拡大に対応して核兵器の装備を強化するかの選択に迫られている。そして更に現在可能性は小さいように見えるが、米国との深刻な対立関係に陥ることによる核戦争の脅威も、歴史を振り返れば有り得ないことではない。だからこそ、米中両国は、核について緊密な話し合いを行ってゆく必要がある。
英語の原文: "Beijing's Hour of Nuclear Judgment"
http://www.glocom.org/debates/20041019_yuan_beijing/
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