GLOCOM Platform
debates Media Reviews Tech Reviews Special Topics Books & Journals
Newsletters
(Japanese)
Summary Page
(Japanese)
Search with Google
注目記事 (2006/5/8)

Opinions:
 
「英語教育に対する偏見を克服せよ」
 石塚雅彦  (フォーリン・プレスセンター評議員)
  
  中教審による小学校に英語教育を導入することへの提言に対し、一部から強い反対が表明されている。例えば東京都知事の石原慎太郎氏や「国家の品格」を著した藤原正彦などが急先鋒であり、いずれも先ずは日本語を勉強する必要があるとの主張を行っている。
  小学校での英語教育への反対者は以前から居るが、これら反対論に科学的根拠は乏しい。寧ろ反対者の主張は、子供に英語を教えることは、日本語を犠牲にし、精神的純粋性を歪め、延いては日本文化を疎かにすることに繋がる、と言う、被害妄想的偏見に依るものである。また、国粋主義的な反論とは別に、そもそも英語は必要な人だけが勉強すれば良いとする意見がある。
  しかし、例えば各新聞への投書により明らかに見られる通り、これら反対者と同調する人は少ない。これは、多くの人々が、日本人の低い英語能力が日本の国際競争力を殺いでいるのではないかと心配しているからである。確かに教育や語学の専門家は、どの程度の英語教育がどのような人々にとって必要か、という問題を整理して行く必要がある。しかしその間、多くの人々がより高い英語力が必要と認識していることを踏まえた現実的な対応が必要であり、国粋的、あるいは文化的な偏見からこの問題を歪めてはならない。

英語の原文: "There's Some Hostility to Teaching English - and Not Just from Kids"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20060508_ishizuka_there/
. Top
TOP BACK HOME
Copyright © Japanese Institute of Global Communications