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注目記事 (2007/1/9)

Opinions:
 
「日本を高度人材育成のハブに」
 白石隆 (政策研究大学院大学副学長)
  
  安倍首相が「アジア・ゲートウェイ構想」を公約に掲げた。ここで言うゲートウェイは、空港のようにそこを通ってアジアに入るというだけの意味ではなく、日本全体をゲートウェイにすることで、アジアの安定と繁栄に日本が積極貢献するとともに、日本もアジアから活力をもらうというのが要点であろう。
  そのために、まずはアジアと世界に開かれた日本を作ることだ。すでに経済連携協定(EPA)締結など多くのことが行われているが、農業市場と看護師、介護士など労働市場の開放はなお大きな課題である。また、これ以外にも、羽田空港の国際化、空港・港湾施設の二十四時間利用体制の実現といった国際物流機能強化のための制度作りなど、日本をアジアと世界に開いていくためにやるべきことは多い。
  もう一つはアジアの安定と繁栄の実現にリーダーシップを発揮することだ。このリーダーシップは「おれについてこい」式ではなく、日本が得意とする「背中を押してあげる」タイプのリーダーシップである。その一つの例は人材育成である。日本がアジアの高度人材に魅力ある就労・就学環境を提供し、人材開発支援、知的交流推進などによって地域的な人材育成に貢献することは、その意味でアジアにおけるイノベーション・システムの構築、経済発展に大きな意義をもつ。
  アジアには多くの課題がある。一方、我々はこれまでその時々のわが国の課題解決のためにさまざまのシステムをつくってきた。国内改革によって日本をアジアと世界に開き、日本全体をゲートウェイとする、その上で日本をアジアにおける人材育成ネットワークのハブとし、アジアの課題解決のため地域標準となりうるさまざまのシステムを日本からアジアに広げていく、それがアジア・ゲートウェイ構想の基本である。

英語の原文: "Asian Gateway - Hub of High-level Human Resources Development"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20070109_shira_asian/
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