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注目記事(2008/8/8)

Opinion:
 
「日本と中国の国家ブランド:戦略の比較と問題点」
 キース・ディニー (テンプル大学准教授)
  
  ディニー教授は英語の論文(下のリンク参照)において、国家ブランドの確立というのは複雑で難しいことを指摘した上で、日本と中国の国家ブランド政策を取り上げ、両国のブランド戦略の特徴を比較し、問題点を検討する。
  まず日本のブランド政策については、どの国からも好まれ尊敬されるようになるという高い目的を設定していること、また既存のブランドよりもむしろ新しく地域のブランドを開発して世界のブランドにしていくという革新的なアプローチが特徴といえる。また日本食や日本のファッションをグローバルなブランドにするという目標を掲げているが、それはある程度達成されたものの、特に日本食についてはまだ必ずしも世界のどの国もよいイメージで受け入れているとは限らない点に問題が残る。
  日本の国家ブランド政策の強みは、多くの国の省庁や経済団体などが関与し、中小企業のブランドを国際的に確立させようと支援している点である。他方、弱点としては、様々な組織が協力し合うことが少なく、貿易振興、観光、市民外交といった機能を統合するようなアプローチが見られないこと、また欧州で有名な日本のサッカー選手を民間大使として活用するといった新しいアプローチに欠けること、さらに外国からの直接投資を誘致する明確な指針が出されていないことなどが指摘される。
  次に中国のブランド政策については、民間に訴える外交で、中国が脅威ではなく「平和的な発展」を遂げていることを強調している点が特徴である。そうすることが間接的ではあっても、中国の製品やブランドを世界に売り込むために最も有効な戦略であろう。特に東京の中国大使館によれば、民間に対する外交努力は、定例の記者会見や公式声明、ネットでの発信、雑誌や本の発行、様々な交流会の開催などを通じて行っており、特に「文化外交」を目玉として、孔子研究所の設置と活動、文化的行事の開催や支援、日中間における学生の交換留学やビジネス界の交流の促進などに力を入れている。
  しかし日本において、このような中国の活動が有識者の間でさえもほとんど知られていないことが大きな問題である。著者のアンケート調査でも、中国による民間向け外交は中国に対するプラスのイメージの形成にほとんど役立っていないという答えが圧倒的で、中国のオリンピックに関する報道についても、プラスマイナス両面の効果があるという答えが大部分であった。

英語の原文: "Japanese and Chinese Nation Branding: Key Issues and Contrasting Strategies"
http://www.glocom.org/opinions/essays/20080808_dinnie_brand/
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